2021/04/30

車を運転する時にほとんどの方が入っている自動車保険ですが、これまでは個人的に繋がりのある保険会社の方、または車を購入した先での紹介などで保険料が高いのか安いのか比較もできないまま契約する方が多かったのではないでしょうか。
最近はインターネットや電話で加入できるダイレクト型自動車保険の人気が高まっていて、個人で保障の内容を比較して選ぶことができるようになってきました。
ただ保険会社もたくさんあり、各社で特徴やサービスの違いを理解することは難しく、結果的に価格で選ばれる方も多いと思います。
私も昨年の保険の契約更新の際に保険会社の変更を検討しようと思い、いくつかの会社から見積もりを取り、比べてみました。
変更を考えた理由は現在の保険で車の傷を直せなかったこと。
契約した当初は免許を取って間もないこともあり、親に知り合いの保険屋さんの薦めから単独事故でも保険が下りるようなタイプに加入していたのですが、いつからかわかりませんが保険屋さんが勝手に保険料を安くするために事故相手のいる時にしか保険の下りないものになっていたのです。
これまで安くはない保険料を支払っていたのは「もしも」の時の為。その「もしも」が起こった時に使えない保険なんて入る意味はないです。
自分で運転に自信があって契約内容を変えていたなら納得できますがそうではなかったので尚のことこれまでの保険料が無駄に思えてしまったのです。
保険が効かないと言われた時に「?」となり、後日これまでの保険証書を調べてみるとあるときから単独では効かないものになっていることが判明し、少しずつ価格も高くなっていました。年齢、等級が上がっているのにです。
それを知り、その保険屋さんの信用は落ちてしまい、別の保険を検討し始めたのです。
調べて初めて気付いたことがいくつかあり、その中でも会社により保険料に大きな違いがあることは驚きでした。どこもあまり大差はないと聞いていたので。
半分愚痴に近くなってしまいましたが保険の変更は皆さん検討の価値のあるものだと思います。
信用のある保険屋さんとお付き合いしている方はお金や保険内容よりもその方とのお付き合いという最も大切な決定材料がありますが、特に思い入れのない方は見積もりだけでもしてみるといいです。
より良くなれば儲けもん、今のままで満足であれば自分の選択を自分で褒めましょう(笑)
下記では私が調べた中で知っておくべきと思ったこととお勧めできる保険会社3つを紹介しますので是非参考にしてください。
1、自動車保険とは?
自動車事故に備える保険は2種類。車を持っているすべての人が加入を義務付けられている「自賠責保険(強制保険)」と、加入が個人の自由に委ねられている「自動車保険(任意保険)」に分かれています。
自動車保険とは、自動車事故で発生した損害を補償する保険で、大きく、「相手への賠償」、「自分や同乗者の補償」、「自分の車の補償」、の3つの補償からできています。
「相手への賠償」は、他人をケガさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした時の賠償金額を補償します。他人のケガは対人賠償責任保険、他人のモノは対物賠償責任保険で補償されます。
「自分や同乗者の補償」は、ケガの治療費や慰謝料を補償します。治療費実費が補償される人身傷害保険と治療の程度に応じて一定額が支払われる搭乗者傷害保険の2種類あります。
「自分の車の補償」は、車両保険にて事故で壊れた車の修理費用が補償されます。
そのほかに、事故や故障時に利用できるロードサービスや、事故解決まで相手と交渉を行う示談交渉サービス、弁護士費用特約などがセットになっています。
それに比べ自賠責保険の補償内容は、非常に限られており、保証の金額も満足できるものではないです。事故の内容によって賠償額が億単位になることもありますのでその際に自賠責保険しか入っていない場合は一生を棒に振ることになる可能性もあります。
また、対物賠償の補償はなく、物を壊してもすべて実費となります。
そんな自賠責保険でカバーできない部分を補うために加入するのが任意保険呼ばれる自動車保険です。どんな気を付けても事故に合う可能性はゼロではないです。万が一に備え、自動車保険には必ず加入してください。
2、自動車保険の選び方
代理店型とダイレクト型と2タイプありますがどちらでもいいと思います。
代理店型は代理店を通じて担当者と対面で手続きをする形式で、ダイレクト型はインターネットなどウェブ上で自らプランや補償内容を組み立てて申し込みをする形式です。
私の印象ですが、手厚いサービスやしっかりした対応が欲しい人は代理店型、保険料の安さを重視する人はダイレクト型と思っていました。
しかしながら色々調べるとそうではないことがわかりました。代理店型でも割安な保険料の会社があったり、ダイレクト型でもしっかりした対応やサービスを行なっている会社もありました。そういうことから一概に印象だけで捉えることは出来ないです。
3、基本的な補償内容を選ぶ
自動車保険を検討する上で悩むのが、対人・対物賠償や人身傷害保険、車両保険などの補償内容をそう設定すれば良いのかということです。
まず、対人賠償・対物賠償は「無制限」にしてください。
対人・対物賠償は、相手や相手の物が補償されます。保険会社によっては金額設定が可能ですが、命に関わったり、障害が残ったりすれば賠償責任が生じ、億単位で請求をされることもありますので対人・対物賠償は必ず無制限に設定するようにしましょう。
費用を抑えるために上限を決められますが違いは微々たるものです。保険に入るのはこの保証の為と言っても過言ではないです。
人身傷害補償は5,000万円に設定しておけば充分です。
人身傷害補償は、車を運転していて事故に合い、自分や同乗者がケガをしたり、命を落とした場合の補償です。ケガによる治療費や仕事ができない間の収入、精神的な損害など補償されます。
この補償は実際にかかった損害額を実費補償してもらえ、相手との示談交渉を待たずに保険金を支払ってもらえます。過失割合で自己負担が大きい時、ケガによる手術や入院ですぐに大きいお金が必要なときは非常にありがたいです。
事故による死亡や後遺障害が残ったときの損害額は、一般的に約5,000万円~1億5,000万円とされています。ただしそのすべてを人身傷害保険でまかなうわけではなく、相手の自動車保険や、運転者本人や同乗者の生命保険から保障を受けられることもあります。
そのようなことから5,000万円を目安に設定しておけばいいかと思います。
保険料が高くなっても不安は少なくしたいという方は1億円や無制限などに設定することもできます。
搭乗者傷害特約は、人身傷害保険や医療保険に加入していれば不要
搭乗者傷害保険は、車で事故を起こしてケガをしたときの治療費をカバーしてくれる補償。人身傷害保険との違いは、受け取れる保険金額が部位や症状に応じて決められており、それにもとづいて実費補償ではなく定額補償される点です。
搭乗者傷害保険を付けるかは、人身傷害保険や医療保険、自動車保険の保険料とのバランスで考えてください。
車両保険は、事故で車が傷ついたり壊れたりした際に、修理費用を補償してくれます。
修理費用は設定された保険金額を上限に実費補償されますが、この金額は自由に設定できません。保険会社ごとに契約する車両の時価に応じた金額が決められており、その範囲内で選びます。
新しい車では時価が高いので、補償金額の上限も高くなります。車の修理費用や再購入費用の大部分を補償してもらえます。
しかし古い車だと市場価値が低く、時価がゼロに近くなっており、保険金額の上限は低くなります。保険料を払っていても、事故で車が壊れたりして、修理や買い替えをするための充分な補償は受けられません。
「対物超過費用特約」は相手の物を傷つけたときに対物賠償の補償で完全にカバーできない場合に備えるものです。対物賠償で補償されるのは事故時における相手の物の時価額までなので相手の車が古く、時価が安い場合など、対物賠償では修理費用を賄えません。その不足分を補える(上限50万円)のが対物超過費用特約です。
この特約を付加しておけば、すぐに相手の車の修理費用を支払えるので、示談構想などもスムーズに進められる可能性が高まります。不安を少なくしたい方は付けておいたほうが良い特約です。
4、事故の対応力で選ぶ
保険を検討する時に最も重要なのは事故の対応力。保険料が安くても、事故が起こった際の初期対応、示談交渉、保険金支払いなどの対応がきちんとしていないと、保険に加入している意味はないです。
事故対応の一つに示談交渉があります。仮に、車で相手方のいる事故を起こしたとします。その際には行うのが相手方との示談交渉です。ここで過失割合を調整し、互いの損害額を決める重要な交渉です。時間だけでなく時間も必要なうえに、不調に終われば大きな賠償責任を負いかねない場面です。
その示談交渉を、自動車保険の取扱会社が代行してくれるのが「示談交渉サービス」となります。示談交渉のプロが、自分の相手と仲介で示談交渉を円滑に進めてくれるので知識のない状態でも安心していられます。
ほとんどの自動車保険に示談交渉サービスが付いていますが稀に示談交渉サービスが付いていない場合もあるのでそうした保険は極力避けた方が良いです。
また示談交渉で有利に進めたいのであれば弁護士費用特約は付加しておくと安心です。
過失割合が0:10で自分に非のない事故の場合、保険会社は示談交渉で仲介してくれないので、示談交渉が保険でできません。
その場合、自分で示談交渉をする必要があるのですが、非常に手間で難しい作業です。しかしながら弁護士に代行してもらうと相当の費用がかかります。
そんな時に自動車保険に弁護士費用特約を付加しておけば、弁護士に示談交渉の代行依頼する費用を補填が可能になります。弁護士に任せておけば示談交渉は安心しておけます。
事故を起こした際に当日中の事故の初期対応をしてくれるのも重要かもしれません。知り合いであればすぐに電話をすることが出来ますが保険会社はそうは行きません。何時まで受けつけているのか確認し、できれば24時間対応が好ましいです。
事故受付センターどの保険会社も構えており、オペレーターが事故状況を聞いて、適切なアドバイスや、事故相手、医療機関、修理工場への連絡・代車の手配など必要な対応を進めてくれます。
保険会社によってこの事故受付センターの受付時間が違うのです24時間受け付けもあれば20時までしか対応しないなど様々です。仮に深夜や早朝に事故を起こした場合、初期対応は受付が繋がる時間まで待つことになり大きな不安を抱える時間を過ごすことになります。
不安なく過ごすために土日かかわらず24時間365日対応してくれるところを選ぶと安心です。
5、保険料で選ぶ
これまでに紹介した補償、特約、付帯条件など大まかな内容が決まったら、その条件で各保険会社の保険料を比べます。
保険料を安くするために運転者の範囲を「本人限定」や「本人+配偶者限定」など限定したり、免許証の色、保険会社によっては自動ブレーキや車の性能によって割引のあることも。
また、ネット割引などダイレクト型にしかない割引も多くあります。
それではこれまでお伝えしてきた条件などをもとに私がオススメする自動車保険を3つ比較します。
ソニー損保の自動車保険
初期対応の受付時間の最終時刻(平日)
24時間
初期対応の受付時間の最終時刻(土日)
24時間
事故対応力 〇
保険料の安さ ◎
事故対応力・保険料の安さともに最高クラス!割安な保険料でも事故時に安心
堂々の1位になったのは、事故対応力・保険料の安さともに最高水準の好成績を残したソニー損保の「ソニー損保の自動車保険」。
私が検討した中で一番のおすすめはこちら。事故対応力が非常に高く、初期対応の受付が24時間365日なだけでなく、事故現場に詳しい事のわかる担当者が来てくれる、現場かけつけサービスを行なっています。
さらに、ダイレクト型なので代理店型に比べて割安な水準です。費用対効果で考えたときに最も良いと思える保険だと思います。
イーデザイン損保自動車保険
初期対応の受付時間の最終時刻(平日)
24時間
初期対応の受付時間の最終時刻(土日)
24時間
事故対応力 〇
保険料の安さ ◎
当日中の事故対応も土日・祝日を問わず24時間体制で受けつけており、ソニー損保と同じく現場への駆け付けサービスも行っています。
保険料に関してもダイレクト型ということもあり、かなり抑えられています。
ソニー損保と比べて保険料に若干の差がありますが優越付けがたいほど良いと思います。
アクサダイレクト総合自動車保険
初期対応の受付時間の最終時刻(平日)
19時
初期対応の受付時間の最終時刻(土日)
19時
事故対応力 △
保険料の安さ ◎◎
ここは保険料を見積もりした中で断然トップでした。しかしながら事故対応力は低いです。
当日中の初期対応の受付時間は19時までとなっており、外が暗くなってからの事故はほぼ翌日の問い合わせになりそうです。また、現場にかけつけてくれるサービスもなく、事故を起こしてしまってすぐの不安感が解消できないことが心配です。
保険料が最も重視しているという方にはお勧めですがサービスの充実も求めるか方には向かないです。
終わりに
紹介した保険会社は奇しくも3つともダイレクト型になりました。要因は価格の面がやはり大きいです。月々では数千円ですが年単位で比べると最大で5万円ほど代理店型だと割高になるものもありました。補償内容、保険料、サービス、担当者との関係性など吟味しながら皆さん検討してください。
ここに紹介している会社以外にも保険会社はいくつもあり、私も数社から見積もりを取り寄せました。イメージしていた以上に各社でサービスが違いますので今回比べてみて勉強にもなり、良かったです。
気になっている保険会社に問い合わせもするのも良いですし、たくさんの保険会社に問い合わせて条件を比べて検討するのもアリです。
一つ一つの会社で見積もりを依頼するのが面倒な方は一括で見積もりを依頼できるサービスもあるので利用してみると良いです。
自動車保険の等級は、会社を変えても引き継ぐ事ができデメリットもほぼありませんので、もし更新時期が迫っているのなら、自分の自動車保険と各社の自動車保険の内容を比較することをおすすめします。